筋肉がこる原因と鍼治療の効果

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毎日のデスクワークで肩こりや腰痛にお悩みではありませんか? 

筋肉が硬くなる原因は、ほとんどの場合日常での生活習慣にあります。 

運動不足や仕事中の姿勢、体を使うときの癖などの日々の積み重ねで徐々に筋肉が硬くなっていき、いつの間にか日常的ににコリや痛みを感じるようになってしまいます。 

この記事では筋肉が硬くなってしまう原因や鍼を刺すことでどのように筋肉がゆるんでいくのかを説明していきます。 

日常生活の中でどのようなことに気をつけたらいいのかがわかると思いますので、是非最後までお読みください。

筋肉が硬くなる主な原因5つ

パソコン作業で猫背になる人

偏った姿勢や動作を長く続けていると体の一部に負担がかかり、体のバランスが悪くなり筋肉が柔軟性を失っていきます。 

筋肉が硬くなると神経や血管を圧迫してさまざまな影響を及ぼします。 

血流が悪くなると筋肉は酸素不足となり、老廃物も排出できなくなるのでさらに筋肉が硬くなり、血が体を巡らないので末端から冷えてきてしまいます。 

神経が圧迫されると痛みを発生させ、さらに筋肉の収縮が強くなってしまうので余計コリが強くなるという悪循環になってしまいます。 

筋肉を使わなさすぎ

運動不足、一日のほとんどを椅子に座ってそすごしているなど、長時間体を動かさないでいると筋肉が萎縮し、かたまって関節の動きも悪くなります。 

さらに筋肉は動かさないと衰え、細くなるので筋肉の本来の働きができなくなってしまいます。 

筋肉がうまく動かなくなるので血流も滞り、酸素や栄養が行き渡らず疲労物質も溜まるのでますます筋肉が硬くなってしまいます。 

筋肉を使いすぎ

スポーツや仕事で毎日重いものを持ったり、毎日文字をたくさん書く、間違った運動方法など。

日常的に同じ動作を繰り返したり、過剰に同じ筋肉を使うことによって筋肉が疲労し、緊張が高まることによって柔軟性がなくなります。 

偏った姿勢

パソコン作業を数時間続けたり中腰で作業する、猫背など。

偏った姿勢を続けていると使われる筋肉に偏りが生じ、疲労が蓄積して筋肉が硬くなります。

ストレス

日常的に身体的・精神的なストレスを感じていると、交感神経が優位になり体に力が入りやすくなるため筋肉がこわばりやすくなってしまいます。 

ケガ、手術の後の傷跡

ケガや手術などによって体の組織に傷がつくとその部分が傷跡として残り、硬く動きづらくなってしまいます。 

それにより筋肉や関節の動きも悪くなり、どんどん硬くなってしまいます。

ケガをしたあとは患部を大事にしすぎず、様子を見て徐々に動かすようにすることが大切です。

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筋肉が硬くなり、痛みを発生させるまでの3段階

体の痛みに悩む人のイラスト

筋肉はある日突然硬くなるわけではありません。 

日常生活で筋肉に負担がかかる動作の積み重ねで徐々に硬くなり、コリや張り感、痛みを感じるようになっていきます。 

筋肉の中には血管や神経、リンパ管が通過しているので、筋肉が硬くなるとそれらを圧迫し、さまざまな影響がでてきます。 

基本的に軽症のうちに体のケアを始めれば治りも早く、重症になればなるほど筋肉が凝り固まってしまいほぐすのにも時間がかかってしまいます。 

軽度筋緊張

筋肉が硬くなりはじめ、少し神経を圧迫するため違和感を感じる段階。

まだ軽症のこの段階ではじりじりと痺れるような違和感や圧迫感を感じ、筋肉の硬くなっている部分を押すと痛みを感じます。 

この段階で体のケアを始めれば硬くなった筋肉もすぐほぐれます。

しかし持続する痛みはなく、だいたいが一晩寝れば治るのでそのまま放置してしまう方が多いです。 

筋萎縮進行

さらに筋肉が硬くなり、持続的に神経を圧迫することで日常的に痛みを感じる段階。

この段階では硬くなった筋肉が持続的に神経を刺激するので、締め付けられるような痛みを感じます。

また、硬くなった筋肉を使うような動きにあわせて痛みが強くなり、常に重怠いような感覚があります。 

この段階になると深部にある筋肉(インナーマッスル)まで硬くなってしまっていることがほとんどです。

筋肉自体が自分の力でほぐれることが出来なくなり、ストレッチやマッサージなどをしても筋肉をほぐしきれず、セルフケアでの改善は難しくなります。 

重度の筋萎縮

硬くなった筋肉が神経を圧迫しすぎて感覚が麻痺し、痛みを感じづらくなる段階。

この段階までくるとかなりの重症といえます。 

長期間筋肉が強く神経を圧迫しているとだんだん痛みを感じづらくなってきます。 

筋肉が硬すぎて関節も動かしづらくなるので重症になればなるほど腕が上がらなくなったり、歩けなくなるなど日常生活に支障がでてきます。 

そして痛みがある部分をかばおうとして他の筋肉に代償が生じ、正しい姿勢や動作が困難になります。 

さらに体の動きが全体的に悪くなることによって筋力が低下し、全身の筋肉が硬くなりやすくなるという悪循環になってしまいます。 

注意

この段階まで筋肉が硬くなっている場合、鍼治療をすると筋肉による神経圧迫が少し軽くなり、痛みを正常に感じられるようになります。

なので一時的に痛みやコリ感が強くなり悪化したように感じることがありますが、筋肉がゆるみはじめている途中なのでご安心ください。 

治療を続け、さらに筋肉がゆるんでくると痛みが徐々に減っていきます。

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筋肉が硬いと起こるデメリット、ほぐすメリット

筋肉は筋膜によって全身の筋肉と繋がっています。

なので一部の筋肉が硬くなり問題が生じると、重症になればなるほど周りの筋肉、繋がりの強い筋肉、全身の筋肉へと問題が広がってしまいます。 

筋肉が硬くなると筋肉自体の動きや働きが悪くなり、十分な筋力が発揮できなくなるので柔軟性も悪くなります。 

さらに血管や神経を圧迫すると体にさまざまな影響を及ぼします。 

筋肉が硬くなることによって起こるデメリット

  • 筋力低下、筋肉が細くなる
  • 体が動かしづらくなる
  • 柔軟性の低下
  • 姿勢の保持が困難になる
  • 疲れやすくなる
  • かなりの重症になると軟骨の変形

血流が圧迫されることによって起こるデメリット

  • 筋肉の栄養障害
  • 筋肉に疲労物質、老廃物がたまる
  • 内臓機能の低下
  • 冷え
  • むくみ
  • 新陳代謝の低下

神経が圧迫されることによって起こるデメリット

  • 感覚異常
  • 腕や足にしびれがでる
  • 力が入りづらくなる
  • 体の痛み、張り感、コリ感

ほぐすメリット

筋肉をほぐすと血管・神経が圧迫から解放されるので、痛みの軽減など上記のデメリットで書いたような症状が緩和されていきます。 

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鍼が効く理由

深部の筋肉に届く鍼のイラスト

鍼治療の目的は、筋肉の緊張をゆるめ、圧迫されて本来の働きができていなかった血管・神経を回復させ、筋肉が正しく動けるようにすることにあります。 

体に鍼を刺すと、刺激として脳などへ伝わりさまざまは反応が起こります。 

筋肉の緊張をゆるめる主な体の反応をご紹介します。 

軸索反射

鍼を刺したことによって血管が広がり、血流がよくなることで老廃物・疲労物質が流され筋肉の緊張がゆるむ反射です。 

軸索とは、神経細胞から伸びた繊維のことです。 

鍼で刺激を加えると体内のセンサーが感知して軸索内に電気信号として伝わり、その後脳へ伝わります。 

しかしこのときに一部の信号が神経を逆行して体の末端(手や足、筋肉の硬くなっているところなど)に伝わることがあります。 

それによって末端の神経伝達物質が放出され、血管を広げる反応が起こります。 

この一連の体の反応を軸索反射といいます。 

自律神経への作用

鍼は自律神経のバランスを整える作用もあります。 

心臓の鼓動の速さや体温など、体のさまざまな機能を自動で調節している神経を自律神経といいます。 

自律神経には2種類あり、体を興奮させる交感神経と、逆に体をリラックスさせる副交感神経があります。 

通常であれば交感神経と副交感神経がお互いに影響し合いながら体のバランスをうまくコントロールしています。

しかし不規則な生活習慣であったり強いストレス、筋肉の過緊張などによって2つのバランスが崩れてしまうことがあります。 

自律神経のバランスが崩れると体にさまざまな影響を及ぼし、不調へと繋がります。 

鍼はこの自律神経に作用し、バランスを整える効果があります。 

鍼治療後、体内ではどんな反応が起こっているのか?

鍼治療後は、血液循環が回復することによって筋肉内に残っていた老廃物や疲労物質が全身に流れるので眠気や重だるさを感じます。

また、治療した部位では硬くなった筋繊維を修復して柔らかくしようとする働きが起こるので治療後1時間くらいは筋肉痛のような鈍痛を強く感じます。 

次の日くらいから軽くなっていき、筋緊張の改善も実感していただけると思いますので、様子を見てください。 

痛みがある場所が悪いとは限らない!

痛みの原因となっている筋肉と、実際に痛みを感じている場所が違うこともあります。 

基本的には硬くなっている筋肉に周りに痛みをかんじますが、たまに筋肉の硬くなっている部分ではなく少し離れた関節などに痛みを感じることがあります。 

これは筋肉の形を考えると理由がわかります。 

筋肉がほとんどの場合関節をまたいで骨にくっついています。 

筋肉は骨の近くでは腱や靭帯となって強力に骨にくっつき、それによって関節の動きを可能にしています。 

筋肉が過緊張の状態になると、そこを中心に硬くなり腱もひっぱられるので、その腱がくっついている骨も強くひっぱられてしまいます。

そして骨周辺にある痛みをかんじるセンサーが働き脳へ刺激が伝わることで腱がくっついている骨あたりが痛いと感じてしまうのです。 

このように筋肉に問題があっても関節周辺に痛みを感じることもあるので、痛みのある部位と筋肉の動きを考えながら治療を進めていきます。 

セルフケアやマッサージは効果があるのか?

痛みを発生させる3段階のうちの1段階目、軽度の筋緊張など軽症の段階であれば、ストレッチなどのセルフケアやマッサージなどでも効果が期待できます。 

ただし、しばらくセルフケアやマッサージを続けても改善しない場合はセルフケアの段階を超えています。

その場合、マッサージでは届かない深部の筋肉まで硬くなってしまっているので、深部の筋肉へ直接アプローチできる鍼治療などの方法をとる必要があります。

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まとめ

筋肉が硬くなる原因は主に5つあり、筋肉の使い方や姿勢、ストレスなどほとんどの場合が日常での生活習慣が影響しています。 

軽度の筋緊張など、軽症の場合はマッサージやセルフケアでもコリの改善が期待できます。

しかし筋肉の萎縮が進行して深部の筋肉まで硬くなってしまった場合は鍼治療など筋肉に直接アプローチする方法をとる必要があります。 

鍼治療などで筋肉をゆるめた後は、日常生活で筋肉に負担のかかる行動を見直すことで健康寿命が伸びるので、再発予防のページ(準備中)もご覧ください。

関連記事:筋肉のコリ撃退!再発予防とセルフケア

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北京堂鍼灸 練馬

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この記事を書いた人

深部の筋肉へアプローチする鍼灸師

佐々木

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