
慢性的な頭痛や腰痛に悩まされていませんか?
この記事では、そうした痛みの原因に直接アプローチする「深刺し鍼」について、その効果とリスクをわかりやすくお話しします。
長引くコリや痛みの多くは、体の奥深くにある「深層筋」が硬くなっているのが原因です。
深刺し鍼はこの深層筋を緩め、根本から改善を目指す治療法です。
「いろいろな治療を試したけど効果を感じられなかった…」という方に、ぜひ知っていただきたい情報をお届けします。
目次
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なぜ鍼を深く刺すのか?

頑固な肩こりやしつこい腰痛、いつ頃から気になり始めましたか?
数年前、あるいはもっと昔から少しずつ悪化してきたという方が多いのではないでしょうか。
そんな何年もかけて硬くなった筋肉が、マッサージや刺激の少ない鍼治療だけで本当に良くなるでしょうか?
深刺し鍼をしている北京堂鍼灸練馬には、
- 「痛くない鍼やマッサージを試しても改善しなかった」
- 「治療を受けた直後は楽になるけど、すぐに元に戻ってしまう」
というお悩みを持つ方が多く訪れています。
実は私自身も、かつては毎日のように頭痛に悩まされていました。
マッサージやよくある痛くない鍼治療など、いろいろ試しましたがなかなか改善せず、諦めかけていたんです。
そんなときに深刺し鍼と出会い、わずか2〜3回の治療で頭痛がなくなり感動しました。
この経験が、今の私の治療スタイルにも大きな影響を与えています。
筋肉のコリや血行不良をそのままにしておくと、深部の筋肉まで硬くなりガチガチの状態になってしまいます。
そんな深部の筋肉を緩めるには、深刺し鍼のように直接刺激を与えられる治療が必要なんです。
深刺し鍼には「頑固に硬くなった深部にある筋肉にアプローチできる」 という大きなメリットがあります。
長年のコリや痛みがなかなか取れず悩んでいる方には、ぜひ一度試してみてください。
科学的な裏付け

実際に、深刺し鍼の効果は研究でも明らかになっています。
例えば、2011年に発表された論文“腰痛に対する腰部への鍼の刺入深度の違いによる治療効果の相違“
こちらの研究では鍼を浅く刺すよりも、深部まで刺した方が血流量がアップするという結果が出ています。
また、2018年に発表された“肩こりに対する鍼の刺入深度の違いによる効果の相違“という論文でも、深刺の方が効果的であると報告されています。
浅い鍼やマッサージでは効果が出にくい理由


こう感じている方、実は少なくありません。
北京堂鍼灸練馬にも、そんなお悩みを抱えた方が多くいらっしゃいます。
首や肩の頑固なコリ、長引く腰痛など、私たちが感じる体の痛みの多くは、硬くなった深部の筋肉が原因です。
筋肉の中や、筋肉と筋肉の間には、たくさんの神経や血管が走っています。
筋肉が硬くなると、それらの神経や血管が圧迫されてしまい、それが痛みや不快感につながるんです。
浅い鍼では届かない場所がある

日本でよく見かける痛くない鍼、浅く刺す鍼は、皮膚のすぐ下にある皮下組織までしか鍼が届きません。
細身の方だと、筋肉の表面にある筋膜に鍼先が触れることはありますが、深部の筋肉までは届かないため頑固なコリや痛みには不十分なのです。
硬くなった筋肉をほぐすには、鍼をしっかりと筋肉の奥深くまで届かせる必要があるのです。
硬くなった筋肉の中に鍼先を届かせなくては効果がないのです。
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深刺し鍼は何センチくらい刺すのか

鍼治療を受けるとき、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

特に深刺し鍼と聞くと、いったい何センチくらい刺しているのか気になりますよね。
実際のところ何センチくらい鍼が入っているかというと、一言ではお伝えするのが難しいです。
なぜかというと、部位や体型などによって深部の筋肉に届くまでの深さが全然違うからです。
例えば標準体型の方の場合、
首にある後頭下筋群は2〜3センチくらい、
腰にある大腰筋だと7センチ以上入れることもあります。

こんな声もよくいただきます。
確かに、初めて聞くと驚きますよね。
私自身も勉強するまでは「そんなに深く刺したら内臓に当たるんじゃないの?」と心配になったことがあります。
でも、ご安心ください!
大腰筋やお尻、太ももなど体を大きく動かすために頑張る筋肉はとても分厚くできています。
そのため、深部の硬くなった筋肉に届かせるには、それくらいの長さが必要なんです。
深刺し鍼に伴う副作用

深刺し鍼は、体の深部にある凝り固まった筋肉を直接ほぐす治療法です。
その分、どうしても刺激が強い治療になるため、副作用が出る場合があります。
どんな症状が出るのか、どう対処すればいいのかを説明していきますね
①治療後の重だるさ
深刺し鍼の治療を受けた後、1〜2日ほど筋肉痛のような重だるさを感じることがあります。
鍼治療では筋肉に目に見えないほど小さな傷をつけることで、自然治癒力を高める働きがあります。
この小さな傷が運動後の筋肉痛と似た状態を引き起こし、治療した部位に重だるさが残ることがあるのです。
また、鍼治療には筋肉内の血管を拡張し、血液の流れを良くする効果もあります。
特に深刺し鍼では硬くなった筋肉の奥深くまでアプローチできるため、ガチガチに凝り固まった深部の筋肉の血流を改善することができます。
ただ、筋肉が硬くなりすぎている場合は血流が悪く、老廃物がたくさん溜まっています。
この老廃物が鍼治療によって一気に流れ出すことで、全身の重だるさや倦怠感を感じることがあります。
こうした症状は、一時的なものなのでご安心ください。
老廃物が体の外へ排出され、筋肉についた小さな傷が自然に治ると、重だるさも徐々に消えていきます。
通常であれば1〜2日、筋肉がかなり硬くなっている場合でも3日程度で落ち着きますので、無理せずゆっくりと過ごしてくださいね。
②症状が一時的に悪化することがある
特に長年、3年以上放置されてきた慢性的な痛みの場合、治療後に一時的に痛みが強くなることがあります。
筋肉が硬くなりすぎると、神経が圧迫されすぎて痛みを感じにくくなることがあります。
この状態の筋肉を深刺し鍼でほぐすと、その感覚が正常に戻り、痛みを再び感じられるようになるのです。
治療を受けたのに痛みが増してしまうと、不安に思われるかもしれません。
でもこれは筋肉が緩み始め、正常な状態に近づいている証拠です。
1〜2回治療を続けて筋肉をさらにほぐしていけば、痛みは徐々に弱くなっていきます。
焦らず、一緒に治療を続けていきましょう。
③「ひびき」が辛いと感じ方もいる
深刺し鍼では、硬くなった筋肉に鍼を入れた際に「ひびき」と呼ばれるズーンとした感覚が広がります。
このひびきは筋肉のコリに鍼がしっかり届いている証拠で、筋肉が硬ければ硬いほどひびきも強くなります。
多くの方は「ちょっと痛いけど我慢できる」と感じますが、中には辛いと感じる方もいらっしゃいます。
ひびきを気持ちいいと感じる人もいますが、もしひびきが苦手な場合は遠慮なくおっしゃってくださいね。
鍼の刺激量を調整して、無理のない範囲で治療を進めていきます。
深刺し鍼のリスクと安全対策


鍼治療と聞くと「危ないんじゃないの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
特に深刺し鍼では、鍼を深く刺すので心配になるのも無理はありません。
結論としては、経験豊富な鍼灸師が体の構造を正しく理解し、慎重に施術を行えば安全に治療を受けることができます。
ここでは深刺し鍼に関わるリスクと、それを防ぐための当院での安全対策について詳しくご説明します。
①内臓への接触
深刺し鍼では、筋肉の奥深くに鍼を刺します。
その際に体の構造をしっかり理解しないままもうちょっと深く…と鍼を入れすぎてしまうと、最悪内臓を傷つけてしまう可能性があります。
例えば背中の施術では、肺に鍼が当たって「気胸」という状態を引き起こすリスクがあります。
肺の他にも腎臓や大腸など、背部の施術中には刺鍼事故が起こりやすいので注意が必要です。
骨は内臓を守っているため、骨に鍼を当てることでそれ以上深く刺さることはなく安全です。
さらに、筋肉が硬くなっている部分にもしっかりアプローチできます。
また、経験豊富な鍼灸師だけが施術を担当します。
当院ではこれまでに刺鍼事故を起こしたことはありませんので、安心して治療をお受けいただけます。
②血管や神経への接触
体の中には、浅い部分から深部の筋肉の中まで、多くの血管や神経が走っています。
そのため、鍼を刺すときにこれらに触れてしまうことがあります。
浅く刺す鍼でも血管や神経に当たる可能性はありますが、特に深刺し鍼ではリスクが高まります。
この結果、内出血ができたり、施術中に一時的な痺れを感じることがあります。
もしどうしても内出血を作りたくない場合は、その部位の治療を避けます。
神経に当たるリスクへの対策として、施術中に「ビリッ」とした感覚があればすぐに教えてもらうようにしています。
このような感覚がした場合、すぐに鍼を抜けば神経を傷つけたり、痺れが長引く心配はありません。
③深刺し鍼が適さないケース

深刺し鍼は刺激の強い治療法です。
そのため、以下の方には施術をお断りする場合があります。
- 心疾患、動静脈疾患、血腫をお持ちの方
- 血圧が極端に高い、または低い方
- 精神的な強い不安定がある方
- 妊娠中の方
また、深刺し鍼だけでなく、鍼治療自体に適さないケースもあります。
- 酩酊状態にある方
- 高熱がある方
- 認知症のある方
- 痛みや不調の原因が筋肉以外にある場合
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深刺し鍼は痛い?


深刺し鍼を経験したことのない患者様からよく聞かれる質問です。
深刺し鍼では、硬くなった深部の筋肉に鍼を入れることで、ズーンとした重くなるような感覚が広がることがあります。
この感覚を「ひびき」と呼びますが、これを痛いと感じる方もいます。
注射より痛い?

深刺し鍼をした時に感じるひびきの感覚は、注射のような皮膚を突き破るチクチクとした痛みとは全く違います。
ひびきが起こるのは硬くなった筋肉に鍼が入った瞬間、筋肉がギュッと締まり、その際に神経を圧迫するためです。
そのため注射とは違い、普段感じる痛み(腰痛など)が再現されるような「ズーン」や「スキーン」とした感覚がします。
ひびきの感じ方は人それぞれ
ひびきの強さや感じ方には個人差があります。
「気持ちいい」と感じる方もいれば、「ちょっと辛いかも…」と感じる方もいます。
こればかりは実際に深刺し鍼を試してみないとわからない部分です。
ひびきの感じ方が気になる方への目安としては、マッサージで強揉みが好きな方はひびきを心地よく感じることが多いです。
まとめ

深刺し鍼は、体の深部にある筋肉に直接アプローチできる治療法です。
鍼を深部まで届けることで長い間硬くなっていた筋肉の血流をよくし、根本からしっかりとほぐすことができます。
その結果、長年悩んでいた痛みやコリの改善が期待できます。
ただし、深刺し鍼の治療後に一時的な副作用が出ることがあったり、刺鍼事故のリスクがある場合もあります。
でも、深刺し鍼は安全を第一に考えて行われるので、施術者がしっかりとした知識と技術を持っていれば安心して受けられる治療法です。
もし不安なことや気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
一緒に健康な体を目指していきましょう!